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波乗りのおしえ


私は長いあいだ、サーフィンを続けてきました。サーフィンをやらない人には想像するのも難しいかもしれませんが、サーフィンはただの海のスポーツではありません。サーフィンには人の心を開かせて、ポジティブにしてくれる大きな不思議な力があります。サーファーというと、茶色い髪の毛で、ノリが軽くて、アタマ悪そうで…などと、あまりいいイメージは無いのかもしれません。真面目にサーフィンをやっているサーファーは、そんな外見をしていても芯の部分には強いものを持っています。それは、波が、自然が、たくさんのことを教えてくれるからです。


波の力には人間は全く敵いません。人の身体を簡単に持ち上げ叩きつけ、海の中へ閉じ込めます。逃れようとすればするほど、海の中から出てくることができなくなります。ただひたすらに心を落ち着かせ水の中で息をとめて浮かび上がるのを待つしかありません。人間の力ではどうしようもないものに常に接していると、人は自然と謙虚な気持ちになるものです。波は人の心と身体に直接働きかけてきます。


大きな波が崩れる海の中に一人でいることは正直とても怖いことです。けれどもいくら怖くても、その場所、その時に自分がやるべきことを冷静に行わないと、もっと怖い経験をすることになります。目の前で大きな波が今にも崩れそうに立ちはだかったとき、立ち向かわずに逃げると余計にひどい経験をすることになるのです。自分のちょっと先の運命を考え恐怖に心が凍り付いてもその波に立ち向かい、かわす努力を精一杯行わないと、よりひどい経験をしてしまいます。「ああ、海に出てくるのではなかった」と後悔しても波は容赦してくれません。


「未来を心配するのではなく、過去を振り返るのでもなく、そのとき自分ができる最善のことをすること。」本当のサーファーは理屈ではなく、いつのまにか自然にそんなことも理解するようになります。


波に乗るときも同じです。失敗することを考えると、うまく行くものも行かなくなります。躊躇すると大抵の場合、波にうまくのれず呑まれてしまうことになります。大きな波を高い所から見下ろしながら滑り降りようとする瞬間も怖いものです。でも、「やると決めたら躊躇しないで実行すること。」これもサーファーが身体で覚えていることです。


そうです。サーフィンは怖いことだらけなのです。たくさんの怖いことを、強靭な体力と強い気持ちを持って冷静に乗り越えてはじめて波に乗ることができるのです。


わざわざ、そんなことをしなくても…と思われるのかもしれません。でもサーフィンには不思議な力があるのです。イルカやアシカ、魚、ペリカンなどの野生動物も波に乗って遊びます(ペリカンは波が作り出す上昇気流を使って波スレスレをグライダーのように滑空していきます。日本にはいませんが…)動物の本能に波で遊ぶという部分があるのかもしれません。「サーフィンは宗教だ」と言う人もいます。私自身、波乗りを続けてきたことは、強い心の支えとなってきました。時にはサーフィンへ逃げ込んだこともありましたが、その度に力をくれたのもサーフィンです。弱い自分の心を強くしてくれ、迷いの無い心をくれたのはサーフィンだと信じています。


人生はサーフィンによく似ていると思います。あまり将来のことを考えても先のことは判らない、過去を振り返っても過去には戻れない。そのとき自分がやるべきことに最善を尽くすこと。人生や仕事にも波があります。どの波にどのタイミングで行くのか、迷ってばかりいると乗り遅れます。自分を信じて「これだ」思った波に飛び込んでいくこと。決めたら躊躇せずに進むこと。


波乗りは本当にたくさんのことを教えてくれます。


これはちょうど一年ほど前。鎌倉の海。
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無題
パート1も拝見しました♪

サーファーが多いですし、他県からも来る地域ですので
サーファーさんたちに、違和感を感じたことはありませんが
自分でやるものだと今の今まで1度も思ったことはありませんでした。
でも、この記事を拝見して
初めてやってみればよかったなと、思ったのです。
今やれるべき最善のことをするだけ。
本当にそうですよね。
KURIさんに教えていただいて、はっと思いました。
ちゃくらん URL 2009/02/07(Sat)15:51:47 編集
無題
ちゃくらんさん、コメントありがとうございます。


海の中では目の前の問題から逃避することは不可能なので、自然と考え方がブログに書いたような傾向になってくるんじゃないかと思っています。私なんか、波乗りやっていなかったらどうなっていたか…考えたくもないですもん。


それとサーファーは、海外に行くにしても普通の海外旅行と全くスタイルが違うので勉強してなくても(笑)英語話せる人が多いですよ。そんな意外な面もあるんです~

KURI 2009/02/07(Sat)16:35:58 編集
無題
今やれるべき最善のことをする。。

日々をそのような心で過ごしてきたから、今の素敵なKURIさんがいらっしゃるのですね。
波のお話も、目の前に打ち寄せる一つの波が、果てしなく大きな旅をしてきたんだな、、と物語を感じました。

私には、サーフィンのように心の師となるもの、というか、心の支えがありません。

有事の時には、心の弱さを痛感したりします。

心を成長させてくれるスポーツ、サーフィンの奥深さ始めて知りました。子どもにチャレンジさせてやりたいな☆(瀬戸内海では無理でしょうけど。。)
mima URL 2009/02/08(Sun)09:16:12 編集
無題
mimaさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。


いえいえ、素敵だなんてとんでもございません。人間、誰だって弱いものです。それでもとにかく前へ進んでいくしかないんですから。気持ちがダウンしていて何もしたくないときでも、何がどうなるかわからなくても気持ちを振り絞って前進あるのみです(たとえ進めなくてもいいんです。)気がつけば絶対に良い方向へ進んでいるはずです(といつも信じております)


瀬戸内海のサーファーは日本海か四国へ行くんですよ。自ら求めなければ何も得られない(波に出会えない)というのも波乗りが教えてくれました。


しかし、真冬の夜明け前に暖かいベッドを抜け出して海へ行っちゃうんですから、サーファーってやっぱり不思議な人種だと思います。
KURI 2009/02/08(Sun)15:15:14 編集
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HN:
KURI
年齢:
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性別:
男性
誕生日:
1964/09/15
職業:
自営業
趣味:
料理 薪集め サーフィン
自己紹介:
2006年1月からスタートした私たち夫婦2人の家にまつわる物語。スーパービジネスウーマンのTAMA奥さまとひたすらマイペース自営業者の夫KURIさんの家作りの記録。
2007年9月に家は無事竣工。現在は思いつきレシピの記録、家庭菜園、薪ストーブのことをメインに書き綴っております。
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